Archive | 8月 2014

「MOOSIC LAB 2014」各賞決定

8月7日開催の「MOOSIC LAB 2014」授賞式&CLOSING PARTY!にて各賞が発表されました。受賞された皆さまおめでとうございます。

昨年に引き続き、今年も松本CINEMAセレクトとして審査に参加させていただきました。「MOOSIC LAB 2014 松本」の開催時期は現時点で未定ですが、松本CINEMAセレクト選の各賞と講評を以下に公開します。

* * *

・グランプリ:該当なし
・準グランプリ:『イルカ少女ダ、私ハ。』(タイム涼介 × やまのいゆずる)『QOQ』(黒田将史 × 黒際連盟)『恋文X』(市川悠輔 × カネコアヤノ)
・特別賞:『ほったまる日和』(吉開菜央 × 柴田聡子)
・ベストミュージシャン賞:カネコアヤノ(『恋文X』)
・ミュージシャン賞:柴田聡子(『ほったまる日和』)、TADZIO(『NOBIDORANDO』)
・最優秀女優賞:吉岡里帆(『イルカ少女ダ、私ハ。』)
・女優賞:カネコアヤノ、岡野真也(共に『恋文X』)
・最優秀男優賞:ケツ(ニッポンの社長)、馬と魚(共に『QOQ』)
・男優賞:該当なし

松本CINEMAセレクトでは、前回同様3名が全作品を鑑賞し選定を行ったが、グランプリは全員一致で「該当なし」に即決した。「MOOSIC LAB」は本来、「映画と音楽のコラボレーションによる実験室」を謳っていたはずだが、前回とは異なり今回はその枠を飛び越える作品がなかっただけでなく、その枠を満たしている作品もきわめて少なかったのは残念だった。

相対的には「映画と音楽のコラボレーション」を実現している作品として、『イルカ少女ダ、私ハ。』『恋文X』『QOQ』の3作を準グランプリに選出したが、いずれも、決定的な驚きを欠いており、新しい才能との遭遇として私たちを興奮させてくれる作品ではなかった。あえて挙げるならば、3作のなかではもっとも(良い意味で)未完成で「MOOSIC LAB」らしい『イルカ少女ダ、私ハ。』にいくらか清新さを感じたが、それも主演女優の吉岡里帆の魅力に負うところが大きい。

真面目に「映画と音楽のコラボレーション」取り組み、器用にまとめ上げた『恋文X』を印象深くさせているのもやはりヒロイン2人(実際カネコアヤノの「発見」は今年の数少ない収穫の1つだろう)の魅力によるところが大きいだろうし、私たちの選からはもれたが、『おばけ』の佐藤玲や『おんなのこきらい』の森川葵など、女優については今後「MOOSIC LAB」の枠外での活躍が期待できる新しい顔と出会うことができた。

男優については、『QOQ』の主演2人が、「MOOSIC LAB」では目新しい関西弁による掛け合いで印象に残ったが、「MOOSIC LAB」の枠外での活躍は容易には想像できなかった。また、そのほかの作品の男優にも、「MOOSIC LAB」の枠外で撮られた作品を見てみたいと思わせる者は見当たらなかった。

今回、ミュージシャンの持つ魅力や、その音楽に真剣に対峙していると感じられる作品は少なかった。そんななか、カネコアヤノ(『恋文X』)の歌はセリフと同等の強度を持ち、みずから輝くと共に作品を輝かせていた。柴田聡子(『ほったまる日和』)、TADZIO(『NOBIDORANDO』)は、その音楽性が作品の指向に関わっており、他の作品のミュージシャンと比べ、魅力を発揮していた。

私たちが「MOOSIC LAB」に期待しているのは、通常の映画祭や映像祭では選外となってしまうような新奇な才能の「発見」である。それを可能にしていたのが「映画と音楽のコラボレーションによる実験室」という枠だったはずだが、今回はその枠が機能していないように感じられる作品が多かった。「MOOSIC LAB」が今後も続くのであれば、しっかりとその枠=〈しばり〉のなかでの競い合いを見てみたい。(もちろん、私たちが本当に待望しているのは、結果としてその枠を易々と飛び越えてしまう作品なのだが。)

特定非営利活動(NPO)法人コミュニティシネマ
松本CINEMAセレクト(宮嵜・後町・飯岡)

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