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「MOOSIC LAB 2013」グランプリ他各賞決定

「MOOSIC LAB 2013」グランプリ他各賞が決定し、本日午後発表されました。受賞されたみなさま、おめでとうございます。

結果は、「MOOSIC LAB 2013」のブログを御覧いただくとして、ここでは、松本CINEMAセレクトがセレクトした「MOOSIC LAB 2013」のグランプリ他各賞と、総評を紹介します。そう、松本CINEMAセレクトも、昨年「MOOSIC LAB 2012」の上映を行ったご縁で、審査に参加させていただいたのです。

松本CINEMAセレクトが選ぶグランプリ他各賞は以下のとおりです。

・グランプリ : 『おとぎ話みたい』(山戸結希×おとぎ話)
・準グランプリ:『ダンスナンバー 時をかける少女』(三浦直之×倉内太)
・特別賞 :『FUCK ME TO THE MOON』(高畑鍬名、滝野弘仁×三毛猫ホームレス)
・ベストミュージシャン賞 : ガール椿(『トムソーヤーとハックルベリーフィンは死んだ』)
・ミュージシャン賞 : 倉内太(『ダンスナンバー 時をかける少女』)、山田エリザベス良子(『あの娘はサブカルチャー好き』)
・最優秀女優賞:趣里(『おとぎ話みたい』)、我妻三輪子(『ダンスナンバー 時をかける少女』)2名
・女優賞 : 秋山祥子(『FUCK ME TO THE MOON』)
・最優秀男優賞:森田釣竿(『アナタの白子に戻り鰹』)
・男優賞:二ノ宮隆太郎(『社会人』)、岡部尚(『おとぎ話』)

また、総評は以下のとおりです。

 松本CINEMAセレクトでは、理事長の宮崎を含め3名が全作品を鑑賞し選定を行ったが、グランプリ、準グランプリは、まったく異論なく全員一致で決定した。

一見して「映画と音楽のコラボレーションによる実験室」を謳う「MOOSIC LAB」のこれまでで最良の成果であることは確信させてくれる『おとぎ話みたい』は、同時に「MOOSIC LAB」という「実験室」の枠を易々と飛び越えた恐るべき作品でもある。

松本CINEMAセレクトは、「映画の未来を感じさせてくれる作品・映画人」を毎年1作品ないし1人選び、「松本CINEMAセレクト・アワード」を授与している。昨年は、最優秀作品賞『聴こえてる、ふりをしただけ』(今泉かおり監督)に加え、衝撃的な商業デビューを果たした山戸結希監督に、例外的に「恐るべき子供」賞を特別に設け授与したが、もはや「子供」と呼ぶのもはばかれるほど完成度の高い「恐るべき」新作に一同驚嘆した。

主演の趣里の恐るべき演技と、おとぎ話の浮世離れしたような楽曲とメンバーの独特のたたずまいの魅力が、本作を支えているのは言うまでもないだろう。山戸監督の演出のもと、両者が作品世界で見事にコラボレーションを果たすエンディング(おとぎ話のライブと趣里のダンスの自然でありながら突飛なクロスカッティング)は、映画を観ることの喜びを感じさせてくれるものだった。

『ダンスナンバー 時をかける少女』は、我妻三輪子の魅力が炸裂する作品であり、その魅力は「MOOSIC LAB」という「実験室」の枠を易々と飛び越え、早く次の我妻三輪子主演作を見たいと思わせるほど鮮烈なものだった。また、倉内太の楽曲は作品世界と見事にシンクロしており、倉内本人が作中で歌っていないにもかかわらず、その力強い楽曲と我妻の生命力みなぎる身体とのコラボレーションが達成されるラストシーンは圧巻である。

特別賞については選が割れ、4つの作品が候補として挙がった。最終的に『FUCK ME TO THE MOON』に決したのは、「映画と音楽のコラボレーション」があまり感じられないという弱点はあるものの、日活ロマンポルノを思い起こさせるおかしさと悲しさが愛らしいだけでなく、音楽で女性のエクスタシーを導くというこれまでの「MOOSIC LAB」では見られなかった着想と、「MOOSIC LAB」という場を利用して撮りたいドラマを撮った(と感じさせる)監督たちの抜け目の無さに強く惹かれたためである。

全体を通して見ると、今回の「MOOSIC LAB」は、傑出した作品とそうでない作品の差がくっきりとあらわれていたように思われる。言い換えるなら、前者は「MOOSIC LAB」という枠を超えてなお輝きを放つ作品であり、後者は「MOOSIC LAB」という枠内でこそ輝く作品ということになるだろうか。松本CINEMAセレクトは、今回のグランプリ、準グランプリの作品のような、「MOOSIC LAB」という枠なしで撮られた作品を早く見てみたいと思わせてくれる監督や女優・男優と、次回も出会えることを期待している。

NPO法人コミュニティシネマ松本CINEMAセレクト
(宮嵜・後町・飯岡)