「MOOSIC LAB 2012 松本」入賞作の選評発表!

「MOOSIC LAB 2012 松本♫ ムージックよ、静かに流れよ編」の入賞の選評を、選定スタッフによる紹介文とともに発表いたします。(※会場で配布している選評と一部異なります。)

★最優秀賞(グランプリ)

『労働者階級の悪役』(平波亘監督)→Dプログラム(17日)

劣悪な環境で働く労働者を〈懐柔〉する歌声が、もうひとつの歌声と出会い、声を重ねたことで、労働者を〈解放〉へと向かわせる歌へと変わっていく。真摯なテーマと合致した端正な演出。主演・松野泉の存在感は圧巻! 映画×音楽の真のコラボレーション!

選評:古くは労働組合員で構成されるコーラス部から現代の仕事の憂さ晴らしとしてのカラオケまで、労働者と音楽とのけっして浅からぬ関係を、「過酷な労働現場で、労働者を懐柔する音楽を奏でる労働者としてのミュージシャン」という奇抜な着想をもとに根源的に考察した『労働者階級の悪役』は、音楽×映画の真のコラボレーションを通して、時代を超えて観客に訴える普遍的なテーマへと到達した作品である。よって、「MOOSIC LAB」の枠を超えた本作こそが、「MOOSIC LAB 2012 ♫松本 ムージックよ、静かに流れよ」編の最優秀賞(グランプリ)にもっともふさわしいと考える。

★MOOSIC賞(準グランプリ)

『新しい戦争を始めよう』(竹内道宏監督)→Fプログラム(18日)

新鋭・竹内道宏と、笹口騒音ハーモニカによってたたきつけられた、「今、ここにいること」への宣言。フェイクドキュメンタリーでしか到達できない震災後の東京、日本の生々しい姿。YouTubeの方が〈リアル〉な現代の映画×音楽環境のドキュメント!「もはや平和ではない」!

選評:映画館やライヴハウスよりもYouTubeの方が〈リアル〉という、きわめて現代的な映画×音楽環境に正面から対峙した『新しい戦争を始めよう』は、その〈いま/ここ〉性において他を圧倒しており、「MOOSIC LAB」という日本映画の〈いま/ここ〉性を探求した新しい試みと見事に共鳴した作品である。よって、本作は「MOOSIC LAB 2012 ♫松本 ムージックよ、静かに流れよ」編のMOOSIC賞(準グランプリ)にもっともふさわしいと考える。

★MOVIE賞

『nico』(今泉力哉監督)→Aプログラム(16日)

徐々に浮かび上がる「死/生」の切なさ、うすぼんやりとした「愛」。真綿でくるまれたような優しい苦しさを、若き鬼才・今泉監督が冷徹な演出・構成力で描く。そして、そのすべてを飲み込むほどの北村早樹子の恐るべき歌声!

選評:北村早樹子の儚げな歌声の魅力もさることながら、彼女の唄う劇中歌すらも作り上げた監督の、細部まで眼の行き届いた演出・構成力に感嘆せざるをえない。自主映画制作の現場を描く「映画についての映画」という閉じた題材ではあるものの、その映画としての完成度の高さから、『nico』は「MOOSIC LAB 2012 ♫松本 ムージックよ、静かに流れよ」編のMOVIE賞にもっともふさわしいと考える。

★MUSIC賞

『アイドル・イズ・デッド』(加藤行宏監督)→Cプログラム(17日)

AKBもももクロもかかってこい! アイドル戦国時代のニューカマー、BiSの初主演映画!〈SRサイタマノラッパー+井口昇〉的演出で送る、最前線のアイドル・ポップ満載の青春スプラッタ・アイドル批評ムービー。歌って踊って闘うBiSの魅力が炸裂!

選評:アクションやスプラッタの要素については疑問の声も出たが、アイドル戦国時代を〈ゾンビ〉のように生き抜こうとするBiSの魅力が横溢している『アイドル・イズ・デッド』は、アイドル批評のかたちをとりながらも、楽曲も存分に楽しめる進化型のアイドル映画のである。よって、本作は「MOOSIC LAB 2012 ♫松本 ムージックよ、静かに流れよ」編のMUSIC賞にもっともふさわしいと考える。

★特別賞(監督)

内藤瑛亮監督[『お兄ちゃんに近づくな、ブスども!』]→Cプログラム(17日)

『先生を流産させる会』でセンセーションを巻き起こした内藤瑛亮監督の新作。顔に皮膚病を患う兄妹。兄に病的な思慕を寄せる妹は、兄に近づく女性に我慢ならない。人間が抱える「ドロドロ」な心理を描く内藤監督の演出がまたもや冴えわたる!

選評:限られた時間、限られた予算で作られていることは間違いないにも関わらず、『お兄ちゃんに近づくな、ブスども!』においても、まぎれもなく〈映画〉を感じさせるショットを確実に撮り上げた内藤瑛亮監督は、「MOOSIC LAB 2012 ♫松本 ムージックよ、静かに流れよ」編の特別賞(監督)にもっともふさわしいと考える。

★特別賞(ミュージシャン)

大森靖子さん[『サマー・セール』(岩淵弘樹監督)]→Eプログラム(18日)

『遭難フリーター』、『サンタクロースをつかまえて』(新作)を手掛けた岩淵弘樹が、1人の女性シンガーを追いかけたひと夏のドキュメンタリー。衝突しながらすれ違いながら、だんだんと際立って来たのは、監督のダメ男っぷりと、シンガー大森靖子の強さだった。ふにゃふにゃの映画監督を尻目に、大森靖子が新宿のど真ん中に立ち、歌う!叫ぶ!

選評:音楽×映画のコラボレーションという観点から見ると、「失敗作」と言っても過言でない『サマーセール』の中で、監督との一貫した不穏な関係にもかかわらず、街頭での圧倒的なパフォーマンスを幾度も披露した大森靖子は、「MOOSIC LAB 2012 ♫松本 ムージックよ、静かに流れよ」編の特別賞(ミュージシャン)にもっともふさわしいと考える。

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